トカゲさん電話
物語は名もなき少女が虐められているシーンから始まります。
(冒頭からもう悲惨なんですけど……)
すると彼女の前に『トカゲさん電話』なるものが出現。受話器を手に取った少女は、電話相手の悪魔ほむらと契約し魔法少女に変身します。
予告でも見たけど、仰向けで電話するほむらの色気がすごいな……。
ていうか椅子に腰掛ける時もいちいち厨二っぽく額に片手を当ててるし、何だか悪役ムーブという名のファンサを浴びせられてるようです。
(ルルーシュがよくやる仕草)
どうやらほむらは色んな少女を一時的に魔法少女に変え、魔獣討伐の負担を分散させようとしているみたいですね。そりゃ1人で抱え込む恐怖をまどかから話された後じゃね……。死ぬまで使い倒そうとするキュゥべえに比べたら温情かもしれません。
でもそんなほむらは誰とも負担を共有せず1人で悪魔になってるのが悲しい……。
しかも案の定かつての仲間達はほむらの事を覚えていません。
以前ほむらは独断でまどかを『円環の理』から引き剥がし、さやかに恨まれたりしましたが、悪魔と呼ばれるほど堕ちてる訳でもないと思うんですよね。
まどかの決断に隠された本音を聞いてしまったら、自分でも同じ事をするでしょう。
ほむら、今度こそ真っ当に幸せになってくれ……!
新たな魔法少女
さやかに怪しまれながらも平穏な学校生活を送るほむら。
まどかに送る熱い視線がマミさんに気づかれていたのが少し笑いました。
(完全にラブコメ1話でヒロインへの片思いを指摘される主人公やん)
しかし突如、そんなほむらの前に新たなライバルが現れます。ほむらにそっくりな謎の先輩。
彼女はまどかを『愛しのマルグリート(?)』と呼び公衆の面前でナンパを開始。
謎の少女がまどかに接触した事でほむらは動揺を隠せません。
ちなみに先輩が自分に瓜二つな所は気付いてないみたいです。
(おいおい)
謎の先輩は他の新たな魔法少女達と共に打倒ほむらを企んでいる様子。
何でも彼女達は『円環の理』からこぼれた存在(?)とかなんとか。だからほむらは知らなかったのね。
手始めに各々がマミさんや杏子に接触し、友好を築いていきます。
あり得ないほど瞬時に溶け込んでいくのが歪でしたね。まあまどマギってこういう認識操作が多すぎるから今更だけど。
もはやメインキャラに関してもどういう流れで仲良くなってるのか曖昧です。
まあ、嬉しそうに食事の撮影してるマミさんが可愛いから何でもいっか。
幸せそうで良かった。
謎の先輩の正体
そこから色々あり、ほむらはさやかと手を組み、例の先輩を追い詰めます。そしてなんやかんやで3人は謎の空間へ突入。
そこは『円環の理』と同じくこの宇宙から切り離された場所らしく、全ての魔法少女や魔女の記録が集まっているそうです。
(宇宙から切り離された存在ってそんな何個もあっていいのかい……)
その空間で謎の先輩の正体が『ワルプルギスの夜』だと判明。かつてほむら達を追い詰めたラスボスが姿を変えて再び立ち塞がります。
ここは素直に熱かったですね。タイトルに名前も出てたので、まさかとは思っていましたが。
ワルプルギスは過去、魔法少女達の呪いを解呪する役目があったけど結局1人では抑えきれませんでした。結果、魔法少女はみんな怪物に変貌。
名前を失った魔法少女達のためにワルプルギスはあの謎の空間を生み出し、魔女という個性を与えるようになったと。
(多分……)
要はワルプルギスこそ魔女の生まれるきっかけだったという解釈でいいのかな。
魔女は悲惨な末路だけどワルプルギスなりの優しさが込められていて、最善ではないがそこに救いの意図があったってこと……?
(この辺情報量多すぎてムズい……)
正直、魔女だろうが何だろうが同じ化物である事に大差ないので強い感動はありませんが、誰かを思いやる気持ちが何かを変え、少しずつ良い流れへ導いてくれるのだという希望は感じました。
ワルプルギスは魔女を生んだ。
ほむらはまどかを救うためにタイムリープを繰り返した。
それが因果補正でまどかを最強の魔法少女へと変えた。
そしてまどかの思いやりである『円環の理』が生まれた訳ですから。
まどマギが織りなす壮大な世界観の根幹にはそんな思いやり……言い換えれば『感情』が深く根付いているのだなと。
今更ながら改めて気づかされました。
そして過去にワルプルギスが見滝原市を襲ったのが、まどかに惹かれてやって来たからだという真相も明かされます。
まさかの補完に驚きましたが、同時に疑問も浮かびました。
まどかが特殊なのは、ほむらが原因です。
ワルプルギスに倒されたまどかを助けるために彼女がタイムリープを繰り返した事に起因します。
なら最初に現れたワルプルギスはどうして見滝原市に襲来したのでしょう?
わざわざ事の真相が明示された以上、最初のワルプルギスだけ理由が違うというのは変な気がするんですよね。
次々に湧いて出る疑問と、めまぐるしい展開に脳内のソウルジェムが濁っていくのをひしひしと感じました。
これ、1周目で理解するの無理だな。
ちなみにさやかはさやかで自分が魔女であった記録を読んだ事で、魔女を出現させます。いつの間にか魔女使いになっちゃって……。
ていうか顔を包帯で覆ってたのって魔女化した片目を隠すためだったのね……。
ここは正直、拍子抜けしてしまいました。
視聴者にとって彼女が魔女なのは周知の事実だし、作中の誰かが気にしてた素振りもない。あくまで演出の都合上つけ足されたデザインに過ぎず、言ってしまえばあってもなくても同じだったのだなあと。
でも魔女を駆使して戦うさやかは、厨二心をくすぐられて格好良いですね。
同時に彼女が人間でない事実をまざまざと突きつけられるようで悲しくもありますが。
セルマ・テレーゼがヤバい
一方、セルマの思惑により捕らえられたまどかは魔女へと姿を変えられてしまいます。
まどかがなるはずだった最強の魔女。
『円環の理』に誤魔化されてきましたが、これが本来の成れの果てなんですよね。
まどかの魔女化はショックなんですが、それより印象深かったのは新キャラのセルマでした。
彼女はまさかのキュゥべえ信者。宇宙のために自ら犠牲になる事を望んでいるイカれた女の子です。
だから魔女化を防いだ『円環の理』が邪魔なんだと。
この視点はなかったな……。
ていうかあってたまるかという気持ちですが笑
限界まで承認欲求を拗らせた人とかならこうなってもおかしくない、のか……?
思想の是非はどうあれ、キュゥべえ側につく魔法少女は発想になくて一気に引き込まれました。
どうせならセルマを主軸にした物語も観てみたかったですね。
掘り下げていくとかなり面白いキャラになるんじゃないでしょうか。
(妄想)
友達や魔法少女達のために犠牲になったまどかと、キュゥべえや宇宙のために犠牲になろうとするセルマ。
同じ犠牲でもそこに乗せられた想いは全く違う。
しかしセルマはキュゥべえと同じ価値観という訳でもない。彼女には感情がある。そう思うに至った理由、背景があるはず。
キュゥべえとの対立では引き出せない人間らしい衝突が、キャラクターの背景を交えて描かれるとしたら、魔法少女を苦しめてきた犠牲というテーマにまた別の魅力を見出だせるのではないでしょうか。
まあインキュベーターのようなどうしようもない存在に足掻こうとする少女達の姿が、悲しくも輝いているのがまどマギの魅力なので、安易にわかりやすくするべきではないかもしれませんが……。
(妄想完)
2周するなら次はセルマに着目したいなあ。
鹿目まどかを取り戻せ!
何だかんだでセルマを攻略したほむら達。
しかし結局まどかは再び『円環の理』に取り込まれそうになってしまいます。
(まどかとほむら、ずっと運命の綱引きしてるな……)
そしてなんと、まどかの歩んでいく先には巨大なまどか(?)が出現。恐らく『円環の理』の象徴でしょう。
(こういうのエヴァで見たな)
いやしかし大画面で拝む巨大まどかには圧倒されましたね。
彼女の無垢な善性にはある種の母性を感じていたのですが、巨大まどかはその比ではありません。これは女神の慈愛です。
その包容力に身を委ねたくなる一方、人間の想像にも及ばぬ事象が彼女の手の内にあるという恐怖も感じます。
慈愛と畏怖を兼ね備えた存在……。
これが神か。
ならまどかは神に捧げられる生贄ですね。
圧倒的な力に頼る以上、対価として命を支払うのは当然。『円環の理』をわかりやすい姿で認知した結果、心のどこかで納得してしまいそうな自分がいました。
ほむらもまた、どう足掻いても変えられない結末に諦めかけてしまいます。
そんな時、彼女に声をかけたのはさやかでした。
他のみんなが正しくても、アンタだけは間違っていてくれ。まどかを取り戻してくれと。
そうだ……。そうだった!
自分が見てきたのは神の奇跡じゃない。友達を守ろうとする等身大の少女達の姿だったはず!
例え100点満点の救いがなくても、冷たい思惑が裏に隠れていても、そこで流してきた血と涙には何より価値があるんだ!そこに人間の感情があるんだ!
その道のりを神様なんかに横取りされてたまるかあああい!!!
自分はあの時、客席で魔法少女に変身していました。
上映中のフラッシュはマナー違反ですが、きっと周りも魔法少女に変身していたので問題ありません。
ほむらも自分と同じ気持ちだったのでしょう(決めつけ)。
さやかの激励、そして他の魔法少女達の後押しにより、ほむらは悪魔の姿を別の形態へと変化させます。
悪魔と呼ぶには真っ直ぐすぎるその瞳には、親友を取り戻すという確固たる決意が宿っていました。
頑張れほむらあああああああああああああああ!!!
まどかを取り戻せえええええええええええ!!!
よくわからんオチ
結局、ほむらは『円環の理』に勝利する事はできませんでした。しかし『円環の理』の象徴たる少女はほむらとまどかを見守ると、何故か静かに離れていきます。
戦いが終わり、元の空間に戻ったほむら。
ベンチで眠るほむらですが、なんとまどかが膝枕してくれています。夜遅くまで悪魔や魔法少女として活動するほむらが、こうして最愛の人の近くで熟睡できているのは重荷から解放されたようで嬉しいですね。
やっと2人とも幸せになれたのかな……。
そう思ったのも束の間、キュゥべえが例の空間を見つけた事で魔女化の復活がほのめかされます。
おい頼むから余計な事すんな。宇宙の寿命を引き延ばすのは勝手だけどせめて2人が寿命を全うした後にしてくれ。あとできれば帰ってくれ。
すると『トカゲさん電話』の受話器を誰かが手に取り(『円環の理』かな?)、まどかの姿が消えたところで物語は終わります。
な、何これ……。
そのまま素直に受け止めると戦いは終わらず、まどかは結局解放されてないってことなんだけど、大丈夫?
照明がついた途端に両隣のグループが「意味わからん……」と囁き合っていたのが面白かったです。
(そりゃそうなるよ)
でも実際、この終わり方はスッキリしませんね。
今までのまどマギは視聴者に考察させつつもオチに関してはハッキリ答えを出していました。
『TVアニメ』では、まどかが自分を犠牲にして全ての魔法少女を救いました。
『叛逆の物語』では、ほむらが『円環の理』からまどかを取り戻しました。
誰が幸せになり誰が犠牲になったのか。非常にわかりやすいです。
では『ワルプルギスの廻天』は?
答えは曖昧です。まどかを本当に取り戻せたかどうかも怪しい。
何度も見直し解釈を深めれば理解できるかもしれませんが、1周目では限界がありますね。
まあシンプルに『戦いは終わらない』というのがオチかなと思いますが……。
これもこれで1つの味でしょう。
でも自分はやっぱりキャラクターには報われてほしい。報われないにしてもちゃんと絶望を描き切ってほしい。
何ならまどかとほむらがバチボコに殴り合って本音をぶつけ合う展開があってもいいです。
要は白黒ハッキリさせてほしかった。
この一言に尽きます。
考察に誘導するのは結構ですが、謎や匂わせの加減は『これがどういう話だったか』を視聴後に説明できる範疇に留めてほしいなと思ってしまいます。
今のところ、『ほむらが再びまどかを救おうとしたけど成功したか失敗したかよくわからない話』という印象です。
見所はあったけど最後はわからん。
最初に言った『満足感は少ないけどまあ面白かった』というのはそういう事です。
最後にもう1つ心残りが……。
みんなの変身シーンが見たかった!!!
楽しみにしてたのに、なんで今回はなかったんだろう?
うう、やだやだやだっ! 魔法少女の変身見たいよ〜〜!
うわああああああああああん!!!
あーあ、私の中の女児が泣き叫んでます。
どうしてくれるんだよキュゥべえ。