エイリアン:ロムルスをIMAXで見てきた!スタッフレビュー
最終更新日:2024.09.10
レビュー・レポート
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フィギュア買取ネットコラム担当のタカハラシューサクです!
2024年9月6日(金)に公開されたエイリアンシリーズ最新作『エイリアン:ロムルス』 !
シリーズ7作目にして1と2の間を描く前日譚 でもあるという今作。
しかも今作は画郭が拡張するIMAXバージョン も公開!
シリーズ全作品観賞済みでIMAXファンでもあるタカハラはいてもたってもいられず、劇場へと向かいました……。
以下、個人的なレビューや過去作との比較も含めて『エイリアン:ロムルス』の魅力を余すことなく解説していきます。
あらすじ&ネタバレなし感想
SFホラーの金字塔『エイリアン』シリーズ 。1作目の公開から45年の月日を経て、また一つ傑作が生まれました……!
今作はリドリー・スコット監督の1作目『エイリアン』とジェームズ・キャメロン監督の2作目『エイリアン2』の間の空白を描くスピンオフ作品。6人の若者と1人のアンドロイドが主人公で、エイリアン×ジュブナイルホラー とでも言うようなセッティングになっていて、とても新鮮でした!Netflixの『ストレンジャー・シングス』なんかも想起させます。シリーズのアイコンとなっているリプリー(シガニー・ウィーバー)は登場しませんが、主演のケイリー・スピーニー 演じるレインは、どこかその面影を感じさせる、強くて決してへこたれないアクションヒロイン を見事に演じています。
主人公たちはウェイランド・ユタニ社 (エイリアンシリーズには必ず登場する企業ですね)が管理する宇宙植民星で、太陽の光も浴びられずに、過酷な肉体労働をさせられる毎日を過ごしています。より安定した生活を求めて謎の宇宙ステーション「ロムルス」 に潜入、脱出用の燃料を探すのですが、そこで彼らを待ち受けるのが最強最悪のエイリアン! 地獄の逃亡劇が始まるという、SFホラー定番のシチュエーションです。
今作はなんと言っても、過去作への愛に溢れたオマージュ盛りだくさんの演出 と、シンプルかつ迫力満点のホラー演出 が醍醐味!監督は『ドント・ブリーズ』でお馴染みのフェデ・アルバレス 。『エイリアン』ファンを公言する監督が、様々なエッセンスを巧みに盛り込み、旧来のファンも、ここからシリーズに入る新規ファンも同じくらい楽しめる 、レベルの高い作品に仕上がっていました。個々のネタに関してはネタバレあり感想の方で……。
そしてIMAXバージョンは、とにかくエイリアンがデカい!怖い!キモい!!! まるで本当にロムルス基地の中にいるかのような臨場感で、ゼノモーフ やフェイスハガー たちが目の前まで迫ってきます。今作では着ぐるみや模型での撮影を採用 しており、最新の映像美と伝統的な技術のマリアージュも堪能できます。酸の血液や唾の滴り、金属質なボディの重厚感など、CGには出せない存在感が圧倒的!そこまで露骨ではないものの、残酷な描写やジャンプスケアもたくさんあるので、ホラー映画が苦手な方はご注意ください……。
またベンジャミン・ウォルフィッシュ (『ツイスターズ』『モータルコンバット(2021)』でも音楽を担当)による重低音ゴリゴリの劇伴と、オリジナルを意識した美しい旋律のコントラストもお見事。12chスピーカーのIMAXレーザーならではの豪華な音響を存分に楽しめました!
ネタバレあり感想
ここからはネタバレありの感想となります。くれぐれも鑑賞前に開くことのないよう、ご注意ください……!
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荘厳な幕開け
お馴染みのファンファーレと共に20世紀スタジオロゴが流れたと思いきや、音楽が歪み、そのまま消失。制作会社のロゴを挟んで、スクリーンに広がるのは広大な宇宙の闇 。一切の音は聞こえず、静寂が観客を包みこみます。1作目をオマージュしたシンプルなフォントのクレジットが現れ、固唾を飲んで見守っていると奥の方から宇宙船がゆーーーーっくりとこちらへ向かってきます。カメラが後ろを振り向くと、そこには宇宙船の残骸 が。破片には「……STROMO(ストロモ)」の文字。おそらくは1作目の舞台となった宇宙船ノストロモ号 です。BGMがうっすら流れ始め、何かを回収していきます。作業を終え帰投する宇宙船。大勢の研究者らしき人たちが回収したものを調査します。なんとその回収物は、1作目でリプリーが倒したはずの、エイリアン(ビッグチャップ)の繭 でした……!
まずこのオープニングでがっちり心を掴まれます。映画と宇宙&無音演出は鉄板 です。一緒に見ていた人たちも「ここは絶対物音立てちゃダメだぞ……!」という空気で一体感に包まれていました。リプリーがあれだけ苦労して宇宙に放り出したエイリアンがまさかの生存していた(ジョジョ2部の究極生命体カーズみたいな形で……)という、驚きの展開。まあ2、3、4とリプリーの受難は続くのでそりゃそうだろとも思いますが、「1作目の、”あの”エイリアンと対決します!」という映画側からの宣言 にもなっているわけです。期待に胸躍りました!
希望と絶望
舞台は移って惑星ジャクソン 。年間通して一度も日が差さない、分厚い雲に覆われた星です。主人公レイン はウェイランド・ユタニ所有の鉱山で肉体労働に従事しながら、弟的な存在である旧式アンドロイドのアンディ と生活しています。ようやく規定の労働ノルマを達成し、より快適な環境の星への移住を申請 しますが、今までの業績が揉み消されるかのような描写の後、申請は却下 。抗議するも追い返されてしまいます。一方レインが申請を終えるのを役所の前で待っていたアンディは、アンドロイド差別主義者たちに遭遇 、殴る蹴るの暴行を加えられていたところをレインに助けられます。
まさに資本主義の行き着く先といったディストピア描写 です。巨大企業が全てを所有する未来、何が起こるかは一目瞭然ですね。人の心は荒み、暴力が蔓延しています。そういう世の中で、未来に希望を持てない若者たちが、一発逆転を目指し、脱出用の燃料を手に入れるために謎の基地へと向かうわけですが、そこには人知を凌駕するモンスターが待ち受けているというこれ以上ない絶望。大多数の観客はエイリアンの圧倒的な強さ・恐ろしさを知っているわけですから、彼らは本当に助かるのか、感情移入を余儀なくされます。非常にスムーズな導入です。
またお前か!
レインたち一行が二手に分かれて基地内を捜索していると、上半身だけの無惨な姿になったアンドロイドが。情報を得るために起動してみたら、なんとこれが『エイリアン』1作目に登場したアンドロイド「アッシュ(イアン・ホルム)」と同じ顔のアンドロイド (役名はルーク)でした。この基地の目的や乗組員が全滅したことなど、滔々とレインたちに語るのですが、いや信じられない!!!『エイリアン』を見た人間であれば、こいつがウェイランド・ユタニの命令を最優先する手先であり、口八丁手八丁のデタラメアンドロイドであることは周知の事実なのです。これは絶対良くないことが起こるぞ……と観客に予感させます。
そしてレインとは別のグループがついに燃料を見つけるのですが、そこはエイリアンの養殖スペース!無数のフェイスハガーたちが孵化し、襲い掛かります 。CGではなく模型で撮影されたフェイスハガーたちは、シャカシャカと動く形が妙にユーモラスでもあるのですが、クラシカルなカメラワークと絶妙なタイミングでのジャンプスケアで、しっかりと冷や汗をかかせてくれました。モジュールを搭載されたアンディが覚醒し、きびきびとした動きで反撃するものの、結局猛攻を食い止めきれず、フェイスハガーは基地中に拡散。仲間の一人であるナヴァロの顔にしっかりと張り付いてしまい、産卵、胸を突き破ってチェストバスターが誕生 というお決まりの流れ。X線で体内を透視できる機械の使い方がまたグロテスクでしたね……。
脱出
酸の血液や尻尾串刺し など、エイリアンシリーズ定番の方法で仲間が減っていくなか、レイン、アンディ、タイラーの3人は、お化け屋敷のように演出されたフェイスハガーだらけの部屋を命からがらくぐり抜け、例の黒い液体 を発見。そう、『プロメテウス』冒頭でエンジニアが飲んでいたアレ です。「そこまで拾ってくるか!」と唸りました。この黒い液体は「人類を強制的に進化させるもの」 とのこと。アンディはモジュールを搭載された際に、最優先事項がレインの命からウェイランド・ユタニの命令に切り替わっており、この黒い液体を持ち帰るために行動を始めます。
ここでパルスライフル が登場!『エイリアン2』でお馴染みの武器です。独特な効果音まで再現されていて、またもや旧来ファンを楽しませてくれます。しかもこのパルスライフルがエイリアンの巣を抜ける際に大活躍!大量のゼノモーフたちを蹴散らしてくれました。そのうえ、酸の血液と無重力空間を使った革新的なアクションシークエンス まで。ここは「シリーズのお約束に甘えず、新しい映像を見せるぞ!」という気概に満ち溢れていました。中身が変わってしまっていたとしてもアンディを見捨てはしない、レインの強い気持ちにも心打たれます。『エイリアン2』の名台詞 “Get Away From Her, You B**ch!” がアンドロイドであるアンディから発せられたのも興味深い演出です。
一件落着……と思ったら?
タイラーは犠牲になったものの、繭に囚われていたケイを救出し、小惑星帯が迫る基地から脱出に成功する3人。これにて一件落着!……かと思いきや、そこからもうひと波乱あるのがエイリアンシリーズ 。ゼノモーフに胸を貫かれ瀕死の状態だったケイは自らに黒い液体を投与。それが胎内の赤ちゃんに影響し、人間とエイリアンのハイブリッドミュータント「オフスプリング」 が誕生してしまいます。このオフスプリングがそれはもう不気味で不気味で、めちゃくちゃ怖い!!!『エイリアン4』に登場した「ニューボーン」 よりもエンジニアに近い、白い肌にぬめっとした質感のある姿で、身長もレインの2倍以上はありそうです(演じたのは現役バスケットボール選手のロバート・ボブロツキーで身長は2m31cm!)。ケイとアンディを亡き者にした後、レインにも襲い掛かりますが、機転を効かせたレインはなんとかオフスプリングを船外に追い出します。一人になってしまったレイン、ラストは『エイリアン』と同じく唯一の生存者であることを航海日誌に残し 、いつかアンディを修復すると誓って、冷凍休眠に入りました。
クライマックスはオマージュの真骨頂といった趣で、レインのスタイリングや宇宙服を着る演出、エイリアンを追い出す方法 など、全てが計算し尽くされた丁寧な山場で、最高でした!このシーンでオフスプリングの顔がIMAXスクリーン全体に映し出された瞬間 は、「わっ!」と声が出てしまうくらいびっくりしてしまいました……。一度この映画を見た方でも、横長(シネマスコープ)の通常版とは上下の情報量が違うIMAX版 で、ぜひこの恐怖を味わってみていただきたいです。
まとめ
『エイリアン:ロムルス』は 「全然エイリアンシリーズを知らない」という方でも、入門編として存分にエイリアンの世界を味わえる傑作 です!思わずニヤリなオマージュもふんだんに盛り込まれているので、過去作のファンならより一層楽しめること間違いなし でしょう。
ぜひ劇場へ!
エイリアンはフィギュアも大人気!
SFホラー映画アイコンのエイリアンはフィギュアも大人気!
特にHot Toys(ホットトイズ)やNECA(ネカ) といったアメトイメーカーの高価なフィギュアや、海洋堂、figma(フィグマ) といった国内の人気アクションフィギュアは、中古でも高値で取引されています。
もちろんプレデターやスターウォーズ、パイレーツ・オブ・カリビアン、MCUのマーベルヒーロー、DCのキャラクターなど 、映画関連のフィギュアはどれも大人気なので買取強化中です!
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【おまけ】タカハラの映画鑑賞記録
ここからはおまけとして、鑑賞当日の様子をお届けします。
今回選んだ劇場は東京、練馬にあるユナイテッド・シネマとしまえん!
IMAXや4DXなど最新の上映方式も揃っているシネコンですが、選んだ理由はそれだけではなく……?
出た!!としまえんにエイリアン襲来!!!
等身大です。
H・R・ギーガー によるこの無機物と有機物の間のようなデザイン。
改めて見ると惚れ惚れしますね……!
いやー、素晴らしい。
パイプを張り巡らせているかのような意匠にグッときます。
ぎゃー!!!こんなのが迫ってきたらひとたまりもありませんね。
IMAXは特典ポスターがもらえることがよくありますが、今回はなし。
ちょっぴり残念です……。
久しぶりのIMAXでしたが、作品との相性が最高で、思う存分楽しめました!
次回の映画レビューもどうぞお楽しみに♪