【ネタバレあり/なし選べる】サンダーボルツ*を見てきた!スタッフレビュー
最終更新日:2025.05.07
レビュー・レポート
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フィギュア買取ネットコラム担当のタカハラシューサクです!
2025年5月2日(金)に公開されたMCU最新作『サンダーボルツ*』。
今回もタカハラはいてもたってもいられず本作を鑑賞してきました!
以下『サンダーボルツ*』の魅力をたっぷりレビューしていきます。
ネタバレなし感想
「サンダーボルツ」はエレーナ、USエージェント(ジョン・ウォーカー)、ゴースト、タスクマスター、レッド・ガーディアン(アレクセイ)、そしてウインターソルジャー(バッキー・バーンズ)で構成されるマーベルのはぐれものチーム。それぞれが後ろ暗い過去やトラウマを抱えており、公に戦う「ヒーロー」とはほど遠い存在です。
そんな彼らを派手にフィーチャーするのが映画『サンダーボルツ*』です。アベンジャーズ不在の世界で突如現れた凶悪なパワーを持つ「セントリー」。スーパーヒーローを統括することで権力掌握を目論むヴァレンティーナの策略にハマり、MCUでは比較的地味な能力ばかりのサンダーボルツがセントリーに戦いを挑むことになります。「最強じゃない ヒーローじゃない でも、やるしかない」がキャッチコピーの今作、負け犬たちに世界を救うことはできるのか、期待に胸膨らむ設定です。正統派のヒーローにはできないダーティーなバトルや下品でコミカルな罵り合いなど、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』的な要素も楽しめるのかなと想像していました。
しかし、実際に鑑賞してみると、『サンダーボルツ*』は優しく人の心に寄り添う、懐の深い映画という印象が強く残りました。もちろん見応えのあるアクションや楽しいけなし合いギャグもありますが、すねに傷持つ人間同士が互いにケアし合い、共に前に進んでいく姿の方が心に響きます。絶望的な強さを持つセントリーに”勝利”するロジックもこの点と関係していて、見応えありです。
今作はアメリカの有名なインディペンデント映画会社「A24」の作品に携わったスタッフが多数参加しているので、今までのMCUではあまり見られなかったテイストが含まれており新鮮です。終盤にはA24のとある有名作品をオマージュしたかのような展開もあり、マーベルファンのみならず映画ファンも楽しませてくれます。ひとりひとりのキャラクターがどんな過去を持っているか短く簡潔に示してくれる親切設計や、2時間越えのランタイムを感じさせないてきぱきとした編集も相まって、「ここからMCUを楽しみたい!」という方にもオススメです。
ただ1点だけどうしても納得いかない点があり、こちらに関してはネタバレ感想の方でご紹介しようと思います……。
ネタバレなし感想はここまで!
ネタバレあり感想
ここからはネタバレありの感想となります。くれぐれも鑑賞前に開くことのないよう、ご注意ください……!
\ ネタバレが気になる人はこちら! /
ネタバレあらすじ前半
いつものマーベルファンファーレかと思いきや、音が遠ざかっていき真っ黒に染まるMARVEL STUDIOのロゴ。暗転後のスクリーンに映るのは、高層ビルの屋上でたそがれるエレーナでした。かつて姉のナターシャがそうしたように、エレーナは屋上から飛び降りて衛兵たちを薙ぎ倒し、ビル内のラボに潜入します。
ここはヴァルことヴァレンティーナが経営する「OXE」という会社の研究所で、エレーナは証拠隠滅のために派遣されたようです。無事ビルを爆破し任務をやり遂げたエレーナは報告ついでに「表に立てるような仕事がしたい」と引退宣言をしますが、秘密裏の人体実験を議会に追及されているヴァルは「最後に一つだけ」と、エレーナに任務を課します。
それは国内某所の地下研究施設に忍び込む人物の処分でした。ターゲットを追って地下研究室にたどりついたエレーナを待ち受けていたのは、ゴースト、USエージェント(ジョン・ウォーカー)、そしてタスクマスターの3人。混乱するエレーナですが、話を聞く暇もなく四つ巴のバトルが始まります。
悪どい仕事をこなしてきたメンバーだけあって攻撃も容赦ありません。なんとこの最中にタスクマスターは頭を撃ち抜かれて亡くなってしまいました……。
バトルが激化してきたところで、ここにいるはずのない謎の生年「ボブ」が現れます。手術着のようなものをまとったボブはなぜここにいるのかもわかっていない様子です。
一旦戦うのをやめた3人が全員ヴァルに騙されてここに集まったことを確認すると、遠隔で監視していたヴァルは3人+ボブごと研究施設を焼却しようとします。
「民間人は見捨てられない」とボブを救出しようとするエレーナにウォーカーとゴーストはいやいや協力します。ここでそれぞれの身の上話が始まり、エレーナが子どもの頃に「サンダーボルツ」というサッカーチームに入っていたことが明かされます。
また、ボブの手に触れたエレーナとウォーカーがそれぞれ過去のトラウマを幻視するという不思議なシーンも挟みつつ、なんとか地上に出た4人でしたがすでに基地は軍に包囲されていました。
なんとか車は手に入れたものの出入り口で軍人に呼び止められ、万事休すかと思われたその時、ボブが車外に飛び出し囮になりましたがライフルの集中砲火を浴びてしまいます。
ボブがくれたチャンスを無駄にしまいとそのまま逃走しようとした3人でしたが、やおら無傷のボブが起き上がり天高く飛び上がります。
彼こそがOXEの人体実験の唯一の成功例「セントリー」だったのです。しかし、まだパワーは制御できないようでそのまま真っ逆さまに墜落するボブ。その衝撃で3人が乗った車も大破し、荒野のど真ん中で立ち往生してしまいます。
ここに駆けつけたのがエレーナの父「レッドガーディアン」ことアレクセイでした。
ヒーローとしての活躍の場も与えられず、ソビエト時代の栄光に浸りながら自堕落な生活をしていたアレクセイですが、リムジン送迎の仕事をしていたのが幸いし、たまたま乗せたヴァルたちの会話からエレーナたちの居場所を突き止めたのでした。
ボロボロのリムジンで都心に向かう一行。ウォーカーが「サンダーボルツ」の話を蒸し返し、これを気に入ったアレクセイが「俺たちはサンダーボルツだ!」と意気揚々でしたが、ヴァルの追手が迫ります。
防戦一方でピンチかと思われたその瞬間、ウインター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)がバイクに乗って颯爽と登場。
ここ数年議員として活動しているバッキーはヴァルの怪しげな動きを察知し、ヴァルの秘書メルと連絡を取るなどしてエレーナ一行の居場所を把握、ヴァルの弾劾に協力させるため追ってきたのでした。
ネタバレあらすじ後半
一方その頃、ヴァルに捕縛されたボブは、人工的にスーパーヒーローを生み出し”象徴”とする「セントリー計画」に協力するよう誘導され、これを承諾。ヴァルに買収されて「ウォッチ・タワー」となったアベンジャーズ・タワー(旧スターク・タワー)でサンダーボルツ一行を待ち受けます。
ゴールドの衣装に身を包み髪も金に染めたセントリーに全く歯が立たないエレーナたち。尻尾を巻いて逃げるしかないのかと思ったその時、ヴァルの支配的な態度に反旗を翻したセントリーの身体が真っ黒に染まり「ヴォイド」として覚醒します。
その余波でウォッチ・タワーは倒壊し、ニューヨークの街に大量の瓦礫が降り注ぎますが、サンダーボルツの面々が人命救助を行い、街の人々から賞賛を受けます。
そんな喜びも束の間、人を影のように消し飛ばすヴォイドの能力でどんどん人が消えていき、ニューヨークの街がどんどん黒に染まっていきます。ボブの心の闇に気づいていたエレーナは自ら影に飲み込まれ、自身のトラウマと対峙しつつボブの居所にたどり着きます。
共にトラウマを持つ人間として、心の闇との向き合い方について考えを深め合う二人にヴォイドとしてのボブが襲いかかりますが、ほかのサンダーボルツの面々も影に自ら飲み込まれて二人を助けにきてくれました。
ボブのトラウマ体験を巡りながら出口を目指す一行に再度ヴォイドが立ちはだかり、これを暴力的に押し込めようとするボブ。我を見失いかけたボブをサンダーボルツの面々が優しく抱きしめ、影の世界から脱出に成功します。影にされた人々も無事戻ってきました。
サンダーボルツとしての初の大仕事をやり遂げたエレーナたち。お灸を据えようとヴァルに近づいたところで思いがけず記者会見の場に出てしまい、ヴァルから「ニュー・アベンジャーズ」として紹介されてしまいました。
全ての手柄をヴァルに横取りされてしまったエレーナでしたが、「アベンジャーズ」として活動できることには満足そうな表情を浮かべ、映画は一旦幕を閉じます。
そしてアレクセイのコミカルなミッドクレジット映像を挟んでの、ポストクレジット映像。
すでにニュー・アベンジャーズとして活動している旧サンダーボルツたち。キャプテン・アメリカ(サム・ウィルソン)たちが名乗る「アベンジャーズ」とは商標をめぐってトラブルが起きたりしているようです。
たわいもない会話をしていると監視システムが緊急信号を察知、未確認飛行物体が地球に飛来してきます。宇宙船らしきその物体が撮影された映像を確認すると、船体には「ファンタスティック・フォー」のロゴが描かれていました……。
メンタルヘルスの描き方
はっきりと言葉で提示されはしませんが、今作は明確にメンタルヘルスが物語の核となっています。
基地から脱出するシーンでボブは「すごく気分が上がる時と、逆にすごく落ち込むことがある」「自分の中に虚無(ヴォイド)がある」とエレーナに語ります。これはいわゆる「双極性障害」の症状についての台詞でしょう。ボブが初めてパワーを発揮するシーンでは天高く飛び立ちそのまま落下しますが、これも躁状態とうつ状態の比喩に見えました。
精神疾患を持つキャラクターをヴィランとして描くと偏見を招く可能性がありますが、今作はボブをただのヴィランとしては描きません。サンダーボルツの面々にも同じようなトラウマがあると示すことで、むしろエレーナやウォーカーがヴォイドになっていたかもしれないという可能性を提示しています。
中盤でエレーナから「その闇は一人で心の奥に押し込めるしかない」とアドバイスされたボブが、真っ黒になったヴォイドを殴り続けるうちに自分も黒く染まり始めるシーンはとても痛々しく映ります。しかし、ボブの能力で自身の過去に向き合えたエレーナが「誰かに話せばマシになることもある」とボブを優しく抱きしめ、他のメンバーもこれに追随します。
このようなかたちでボブとサンダーボルツたちを互いにケアし合える存在として描いているので、ステレオタイプな精神疾患の描写にはなっていないと感じました。
監督のジェイク・シュライアーは、些細な言い合いが取り返しのつかない事態に発展する様子を描いたA24のドラマシリーズ『BEEF/ビーフ』でも丁寧なメンタルヘルス描写が評価されていたので、今作に起用されたのは納得です(一時期は『BEEF/ビーフ』の主演の一人であるスティーブン・ユアンがセントリーを演じるという報道もありました)。
また、脚本の一人であるジョアンナ・カロも『ボージャック・ホースマン』や『一流シェフのファミリーレストラン』といった作品でのメンタルヘルス描写が高く評価されている人です。
そのほか音楽を手がけたSon LuxはA24の大ヒット映画『エブリシング・エヴリウェア・オール・アット・ワンス』で一躍名を轟かせた3人組のユニットです。終盤、エレーナたちがボブのトラウマを巡っていくシーンはマルチバースを行き来するこの映画を彷彿とさせます。『エブリシング〜』でも看板持ちのアルバイトをしているミシェル・ヨーが登場していましたね。
ちょっとそれはないでしょう
優れた点も多い一方、タスクマスターの扱いが酷すぎて全く納得いきません。おそらく大多数の方が同じ気持ちでしょう。
ナターシャが命を懸けて救ったキャラだけに、エレーナがメインの映画で頭を撃たれてそのまま焼却なんてあんまりです。
クレジット後の映像でひょっこり起き上がって「ニュー・アベンジャーズとボブとタスクマスターは帰ってくる」なんてテロップが出てくるのを最後まで期待していました。
タスクマスターを演じるオルガ・キュリレンコの顔は一瞬映りますが、過去作のフッテージを使い回しているようにも見えました。プレミアイベントなどには参加しているようですが、今後の登場はまずないでしょう。
映画『ブラック・ウィドウ』の時点で原作とのキャラの乖離が指摘されてはいたようですが、リキャストなどで仕切り直すとしても、もう少し愛のある退場を見たかったですね。
まとめ
『サンダーボルツ*』は個人的な苦悩に寄り添う、メンタルケアの物語でした。2025年7月25日公開の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』、そして先日キャスト発表が話題となった『アベンジャーズ:ドゥームズ・デイ』にも直接繋がっていくこと間違いなしです。今までのMCUでの込み入った話はあまり出てこないので「ここからMCUを楽しみたい!」という方にもうってつけですよ!
ぜひ劇場へ!
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おまけ
ここからはおまけとして、鑑賞当日の模様をお届けします!
今回も信頼と安心の立川シネマシティで鑑賞しました。極爆上映で迫力もバッチリでした!
グッズもかなり充実しています。評判の高い「バッキー アームキーホルダー」は見つかりませんでした……。『デアデビル:ボーンアゲイン』関連の商品も!
シネマ・ワン開業から30年、シネマ・ツー開業から20年を迎えたシネマシティでは、2024年10月8日から2025年10月7日までをアニバーサリーイヤーとして、様々な特別企画や旧作のリバイバル上映が行われています。
先日は安彦良和氏のトークイベントが行われていたようです。
放送50周年を記念して「ガンバの冒険」のオールナイト上映も行われます。1階ロビーには設定資料や台本など、貴重な品がたくさん展示してありましたよ!
立派なフォトスポットもあるので「ガンバの冒険」ファンの方はぜひ足を運んでみてください!
おまけは以上となります!
次回のレビューもどうぞお楽しみに♪