【ネタバレあり/なしが選べる】ヴェノム ザ・ラストダンスをIMAXで見てきた!レビュー
最終更新日:2024.11.11
レビュー・レポート
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フィギュア買取ネットコラム担当のタカハラシューサクです!
2024年11月1日(金)に公開された『ヴェノム』シリーズ完結編『ヴェノム ザ・ラストダンス』!
SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース) の人気ダークヒーロー、ヴェノムとエディの物語がついにラストを迎えるとのこと。
そして今作はドルビーシネマや4DXなどに加え、一部シーンで画郭が上下に拡張するIMAX上映も!
シリーズ観賞済みで大のIMAXファンでもあるタカハラは(やっぱり)いてもたってもいられず、劇場へと向かいました。
以下、『ヴェノム ザ・ラストダンス』やエディとヴェノムの関係性 について、その魅力を語っていきます。
ネタバレなし感想
映画『ヴェノム』シリーズの魅力は、なんと言ってもエディとヴェノムの奇妙なバディ関係 です。ひょんなことから地球外生命体「シンビオート」のヴェノム に寄生されてしまった記者のエディ・ブロック(トム・ハーディ) 。ヴェノムと協力し、ライフ財団の巨悪を暴いたり、脱獄した殺人鬼(クレタス・キャサディ/カーネイジ) と戦ったりしてきました。人の頭が大好物の獰猛でやんちゃなヴェノムと「やれやれ・・・」という態度でヴェノムに仕方なく付き合うエディの組み合わせはとてもユニーク。真っ白な目、真っ黒な巨躯、大きな牙に長い舌といった、ヴェノムのグロテスクな見た目とは裏腹に、なぜかほっこりしてしまいます。
今作『ヴェノム ザ・ラストダンス』は公開前からはっきりと「ヴェノムシリーズの最終章」 であることが明かされていました。予告映像でも馬ヴェノムやチェンさんとのダンスといったコミカルな映像に紛れて、ヴェノムがエディに別れを告げるシーンが強調されています。どれくらいそういう要素が強い作品なんだろうと思いながら鑑賞しに行ったのですが、予想をはるかに超えて、今作はヴェノムからエディへの、そしてエディからヴェノムへの愛のこもった「さようなら」に溢れた作品 となっていました。もちろん笑えるシーンもあるのですが、全編を通して離別のムードに包まれており、このシリーズとヴェノム&エディのコンビに思い入れがある方にとっては、忘れられない作品になるのではないでしょうか。かくいう自分も「エディ、お前そんなにヴェノムのこと好きだったのか・・・」 とその想いの強さに心打たれました。二人の関係を示すモチーフとして「靴」が重要な要素 となっているのですが、ここに関してはネタバレありの方で述べます。
今作の監督・脚本を務めたケリー・マーセル(過去2作でも脚本担当) は、『ヴェノム ザ・ラストダンス』を「古典的なロマンティック・コメディ」と語っています。また主演のトム・ハーディ はこれまでもエディとヴェノムの関係性について、並々ならない思いを公言しており、今回は脚本にも加わっています。二人のヴェノムシリーズへの巨大感情が、色濃く反映されている作品だと言えそうです。
そういうわけでだいぶしんみりしてしまう作品なのですが、もちろん楽しい要素もたくさんあります!シリーズでお約束のやりとりもありますし、ストレートなポップス引用や思わず肝冷えるアクションなどで、アトラクション的に観客を喜ばせてくれます。
そして気になるIMAX上映ですが、画郭拡張するシーンがとても多い!!! 中盤の川でのアクションシーンで一度上下に拡張し、その次にエディとヴェノムがラスベガスに到着するシーンからラストのクライマックスまではずーーーっとIMAX画郭!物語全体の見せ場である終盤のシークエンスを絶え間なく巨大な映像で見せてくれるので、迫力満点です。最近は同じシーンの中でもあっちゃこっちゃ画郭が変わり集中できない映画も多いので、ありがたいですね。IMAX上映おすすめです!
ネタバレあり感想
ここからはネタバレありの感想となります。くれぐれも鑑賞前に開くことのないよう、ご注意ください……!
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おおまかなあらすじ
オープニングは謎の惑星から始まります。シンビオートの創造主である「ヌル」 はかつてシンビオートたちに封印されたのですが、復活のために「コーデックス」 なるものを部下(?)のゼノファージたち に探させます。「コーデックス」は一度死んだ生命体をシンビオートが復活させた時に生成される もので、まさにエディとヴェノムに当てはまる条件です。
一方エディとヴェノムは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも描かれていたメキシコのBARにいました。一瞬MCUの方に呼ばれたようですが、すぐさまポータルから帰還。前作の件で全米指名手配されてしまったようで、お決まりのぐっちゃぐちゃな料理(今回はカクテル)シーン を挟んで、逃避行が始まります。
場面は変わって、エリア51 。宇宙人やUFOの研究をしているという都市伝説で有名な場所です。映画の中ではシンビオートの研究施設があり、ここではテディ・ペイン博士(ジュノー・テンプル) が日夜研究に励んでいますが、もうすぐこの施設自体が解体されてしまうとのこと。1作目から登場しているマリガン刑事 は、前作のラストで重傷を負いましたが、シンビオートの宿主になることで一命を取り留め、この研究施設に収監されています。トキシンを名乗るこのシンビオートが、ヌルとゼノファージの脅威が迫っていること、そしてヴェノムとエディのどちらかが死ねばその脅威は去る ことを、テディや軍人のストリックランド(チウェテル・エジオフォー) に伝えたため、より一層追跡は激しくなります。
エディとヴェノムは違法に飼育されている闘犬を助けたり、空中でゼノファージに襲われたり、馬ヴェノムでDon't Stop Me Nowしたり、川で軍に襲われたり、SF好き一家に助けられたり、ラスベガスでチェンさんと踊ったりしているうちに軍によって捕獲、エリア51へ搬送されてしまいます。ヌルの脅威を防ぐためエディが撃たれてしまいますが、ヴェノムが阻止、完全体になったためコーデックスも見つかってしまい、ヴェノム、軍、ゼノファージの三つ巴の戦い が始まります。
ここで研究所に保管されていた全シンビオートが人間に寄生し、ヴェノムチームが誕生 。協力してゼノファージを追い詰めますが、身体がバラバラになっても再生してしまうゼノファージをなかなか倒せません。万策尽きたヴェノムは「自分が全てのゼノファージを取り込んだまま死ぬ」ことで事態の収束を図ります。作戦に納得のいかないエディでしたが、ヴェノムに出し抜かれる形で一命を取り留めます。研究施設を解体するための強酸で溶かされていくヴェノム。それをただ見守ることしかできないエディ。結果、ゼノファージは全て退治され、ヴェノムの死によってコーデックスも消失しましたが、エディはまた一人ぼっちに 。ラストは「いつか本物の自由の女神が見てみたい」 とヴェノムが語っていた夢を思い出しながら、エディが遠くから自由の女神を眺めるシーンで映画は締めくくられます。
エディとヴェノムと靴
事前に明かされていた通り、エディとヴェノムは今生の別れとなってしまうのですが、この結末に至るまでのエディとヴェノムとのやりとりは非常に味わい深いものとなっています。SF好き家族と車で移動するシーン、ヴェノムがデヴィッド・ボウイのSpace Oddity を歌い、これまでのエディとの思い出や「自由の女神を見たい」という自らの夢を語るシーンは、これまでのヴェノムシリーズのトーンとは明らかに異なります。自分達もこういう幸せな家族になれる未来があったのではないか、そんな憧れと同時に諦めもある ような、なんとも言えない雰囲気でした。
ヴェノムが去った後、エディがヴェノムとの思い出を回想するシーンは、もう完全に「最愛のパートナーを失った人」 として演出されており、その思い入れの強さに不思議と涙ぐんでしまいました・・・。
そして二人の関係を表現するために、何度も用いられているのが「靴」 のモチーフです。冒頭、闘犬を救う際にエディはサンダルを壊してしまい、ヴェノムがウエスタンブーツを差し出します。その後ブーツも失いますが、サンダルを手に入れ、カジノに入るために革靴を奪って、捕まってまた裸足になって、ラストバトルでは施設の研究員(クリスマス)のスニーカーを奪って戦いに参加します。チェンさんと踊るシーンでもヴェノムの足元のステップにカメラが寄っていたりと、全編を通じて靴と足元がこれでもかと強調されている のです。
靴とは、移動するために無くてはならないものです。路上に落ちている石や尖ったものから足を守ってくれます。スニーカー、ブーツ、サンダルなど、用途に合わせて様々なかたちがあります。そして常に「2つでセット」 です。エディが意を決して行動するためにヴェノムはなくてはならない存在でした。エディの身を守るため、さまざまな形に変身し、常に「2人でセット」 でした。作中で明言はされませんが、おそらくそういうことだと思います。ここまでやるならヴェノムを失った後、エディは何を履くのか、まで見せてくれればよりメッセージの完成度が高まり、作品も引き締まったと思うのですが・・・。
オマージュ的な遊び心の数々
そんな愛と悲しみに包まれる『ヴェノム ザ・ラストダンス』ですが、映画ならではの遊びも随所にあり、観客を楽しませてくれます。宇宙人ものでエリア51が出てくるのは鉄板ですし、宇宙人映画の代表である『E.T.』 へのオマージュが頻繁に登場します。「おうち」「でんわ」という台詞が出てきますし、SF家族の少年は『E.T.』の主人公エリオットにそっくりです。そしてヴェノムとエディの別れの時には、あの指を近づけるシーンへの直球オマージュも。E.T.は友好的な宇宙人でしたが、SF好き家族が遭遇するのは凶暴なゼノファージと凶悪な見た目のヴェノム、というところも面白い対比になっています。
また個人的にですが、今作とは一見関係なさそうな『007』シリーズへの目配せ も感じました。トム・ハーディがタキシードを着るシーンではダニエル・クレイグよろしくカフスボタンを整える仕草をしていたり、クライマックスでバイクを乗り回すシーンではヴェノムから「喜んで!(With Pleasure!)」 という台詞が。これは『007 スカイフォール』のラストでダニエル・クレイグが言う台詞です。チェンさんとのダンスシーンもコミカルではありますが、ジェームズ・ボンドとボンドガールとのささやかな幸せのひとときを想起させます。なぜタカハラがこのように感じたかというと、トム・ハーディは最近まで次の007候補として噂されていた俳優 だからです。現在はSSUの次回作『クレイヴン ザ・ハンター』で主演のアーロン・テイラー=ジョンソンが最有力候補のようですが、実際にボンドっぽい映像を撮って見せてしまうことで制作会社のMGMにアピールしているような気がしなくもなかったり・・・?
そしてこれはオマージュではないでしょうが、クライマックスのカラフルなヴェノムチーム が協力して戦う様は、さながら日本のスーパー戦隊や近年の仮面ライダー を彷彿とさせます。黄色のパワー系がいたり、2人で合体してるやつがいたりと、バリエーション豊かな戦い方で楽しませてくれました。特に最後の最後でテディ・ペイン博士が変身する、ヴェノムとDCのフラッシュが融合したかのようなキャラクター(アゴニー という名前らしいです)がとてもアイコニックでカッコよかったです。今後の活躍に期待!
まとめ
ヴェノムシリーズ3作目『ヴェノム ザ・ラストダンス』は、過去作のムードとはうってかわって、愛と悲しみに溢れるエモーショナルな作品 となっていました。その一方グロテスクな要素は過去作より強め(特にゼノファージの捕食が怖すぎる・・・)なので、怖い表現が苦手な方は少し要注意です。IMAXのシーンは映像に集中できる作りで迫力も満点なので、IMAX上映もおすすめです。
ぜひ劇場へ!
マーベルヒーローはフィギュアも大人気!
ヴェノムをはじめとするマーベルヒーローは、フィギュアも大人気!
特にHot Toys(ホットトイズ)やSideshaw(サイドショウ) といったアメトイメーカーのハイクオリティなスケールフィギュアや、S.H.フィギュアーツ、MAFEX、ARTFXなど の国内アクションフィギュアシリーズは、中古でも高価買取が見込めます。
もちろんアベンジャーズ の面々やスパイダーマン、デッドプール などのMCUヒーロー、バットマン、ジョーカー、ハーレイ・クイン といったDCのキャラクターはどのメーカーのフィギュアでも大人気です!!
売りたいアメコミ関連フィギュア は、ぜひフィギュア買取ネットへお送りください!
【番外編】東京国際映画祭2024&ゴジラフェスミニレポート
ここからは番外編として、10月末から11月頭にかけて開催された「東京国際映画祭2024」と11/3に開催された「ゴジラフェス」の模様を少しだけお届けします。
東京国際映画祭は今年で37回目になる歴史ある映画祭で、日比谷・銀座エリアの映画館を使って世界各国の珍しい映画や、来年公開予定の話題作をいち早く鑑賞できるイベントとなっています。
期間中はこのように上映作品をずらっと並べたパネルが毎年展示されます。
『劇場版 孤独のグルメ』が気になる・・・!
日比谷ミッドタウン前の広場には大きなモニターが設置され、連日名作映画の無料上映が行われます。広い空の下で見る映画もいいもんですよ。
そしてこちらはゴジラフェス!ゴジラ70周年を祝う一大イベントです。
着ぐるみとのグリーティングも行われていました。ガイガンがとてもキュートです。
参加してみたかった・・・。
野外では着ぐるみの操演を体験できるブースも。
ギドラを思い通りに動かすのはとても楽しそうでした!
日比谷シャンテでは歴代ポスターの展示も!壮観です。
こちらはTOHOシネマズ日比谷。ゴジラフェスとは関係なく常に展示されている初代ゴジラ像です。東宝のお膝元ならではですね。毎回テンション上がって写真を撮ってしまいます。
普通の映画館のグッズ売り場では買えないソフビ系のおもちゃがとても充実しています。
これも日比谷ならではです。
もちろんヴェノムのグッズもたくさんありましたよ〜!
以上、番外編でした!
次回の映画レビューもどうぞお楽しみに♪