2026.07.12
レビュー・レポート
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フィギュア買取ネットコラム担当のタカハラシューサクです!
初代ウルトラマンから60周年を記念して制作されたドキュメンタリー『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』が2026年7月3日(金)に公開されました。
ウルトラマンのなかでも特に初代マンが大好きなタカハラは、いち早く映画館に向かい、本作を鑑賞してきました!
以下『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』の詳細をレビューしていきます。
(出演者の方々は敬称略とさせていただきます。ご了承ください)
目次
基本情報と全体の感想
まずはじめに、本作の基本情報と全体の感想を述べたいと思います。
『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』は、1966年に放送された初代『ウルトラマン』にフォーカスしたドキュメンタリーです。
映画『万引き家族』などで知られる是枝裕和が企画したもので、世界中の著名なウルトラマンファンへのインタビューや対談と『ウルトラマン』本編の映像や資料映像で構成されています。
本作はとてもオーソドックスなドキュメンタリー映画で、ストレートに初代ウルトラマンへの愛とリスペクトに満ちた作品です。
ギレルモ・デル・トロや庵野秀明、樋口真嗣のように、普段からウルトラマンへの熱烈な愛を公言している著名人のみならず、企画の是枝裕和やニコラス・ウィンディング・レフン、小島秀夫など、意外な人たちのウルトラマンに対する思いやその影響を知ることができます。
そして豊富なフッテージの数々!
ウルトラマン本編の映像はふんだんに使われていて、ゴモラの回やバルタン星人の回など長めに引用されているエピソードもあり、これを劇場で体験できる貴重な機会となっています。
どの曲だったかは忘れてしまったのですが、劇中のBGMに合わせて、個性豊かな怪獣たちをダイジェストで紹介していくシーンは燃えました。
またウルトラマンのみならず、その前身である『ウルトラQ』の4Kリマスターされた映像や、円谷英二が特撮で携わった『かぐや姫』(1935)の貴重な映像なども見ることができます。
1966年当時のスタッフ・関係者たちへのインタビューも多く、すでに亡くなられた方もいるなか、黒部進、桜井浩子、毒蝮三太夫(石井伊吉)といった出演者の方々が元気な姿を見せてくれるだけでもありがたかったです。
個人的に一番印象的だったのは、冒頭の一連です。
まずアメリカ・ロサンゼルスのハイウェイが空から見下ろしたような角度で映し出されるのですが、大量の車が高速道路上に並んでいるところが、まるで特撮のミニチュアのようだったのです!
次のカットでは移動中の車内からの映像に変わるのですが、すぐ横を走っている車を窓越しに撮影しています。
この車がやけに近未来的なデザインで、カクカクしたアウトラインとメタリックシルバーに塗られた車体が、まるで特撮に登場するメカのようなのです!
その後、庵野秀明監督へのインタビューパートで、「アニメはある程度観客が”ウソ”として見てくれるが、特撮はリアルな”本物らしさ”を求めなければいけない」という主旨の発言がありました。
この言葉を聞いた時に、冒頭のシーンは、まさに現実と虚構が混り合う「特撮」というジャンルを端的に映像で見せる名演出だったのではないか、と感じました。
ドキュメンタリー映画で海外に向かう際にその土地の風景ショットを入れるのは定番の演出ではありますが、ただそれだけの映像では無い気がしたのです・・・というのはちょっと特撮脳すぎるでしょうか(笑)。
またフィギュア買取ネットのスタッフとしては、1966年放送当時の貴重なウルトラ・怪獣ソフビが綺麗にVの字に並べられ、照明もバッチリ当ててカッコよく撮られているシーンでガッツポーズをしたい気持ちになりました!
一瞬の映像でしたが、一瞬だからといって手を抜かない、そんな熱意が伝わりました。
エンドロールでは「ウルトラマンの歌」が流れるのも嬉しいポイントです。
自分のようにリアルタイムではない世代にとっては「われらーの」ではなく、「わっれらーの」と歌われているバージョンがもっとも耳馴染みがあるので、大満足でした!
各出演者のコメント紹介
ここからは各出演者がどのようなコメントをしていたかを一部ご紹介します。
ギレルモ・デル・トロ
ギレルモ・デル・トロは『パンズ・ラビリンス』『シェイプ・オブ・ウォーター』などで知られる、世界的な映画監督です。
過去に来日した際に、バルタン星人と会えて大喜びしている様子がニュース番組で放送されていたり、X(Twitter)で怪獣のフィギュアやガレージキットに塗装している様子をシェアしていたりと、熱心なウルトラマンファンとしても有名です。
巨大ロボットと巨大生物が戦う映画『パシフィック・リム』では「KAIJU」という言葉をそのまま使っているのもリスペクトを感じるエピソードです。
そんなギレルモ・デル・トロ監督は本作の中でも怪獣愛が炸裂しており、冒頭の是枝監督との対談パートでは、まず部屋に飾られたウルトラ・怪獣フィギュアを指差して「全部同じものを持ってるよ」と一発カマします。
その後も怪獣が「陰陽」の関係のように単なる善悪に分けられる存在ではないこと、自分の中では神のような存在であることなど、いかに自らの精神が怪獣によって形作られているのかということを力説していきます。
特に「怪獣が人間の元にやって来ると、人間はすべてを捨て去って、”生き延びる”というもっとも大事な目的に気づくことができる」という発言には、単なるファンとは言いがたい圧倒的な迫力を感じました。
また、自身の出身国であるメキシコについて「メキシコも日本も、血とメロドラマとレスリングが好きで、八百万の神の考え方がある」という文化面からの分析は大変興味深いものでした。
是枝裕和
本作の企画者でもある是枝裕和は、『万引き家族』『怪物』などで知られる映画監督です。
2004年の作品『誰も知らない』でネグレクトの問題を描いて以降、常に社会問題を作品に織り込んできた作り手でもあります。
本作でもウルトラマンの描いた社会問題の面についてフォーカスしており、ゴモラが登場する「怪獣殿下」では、1970年に行われた万博に先んじて、科学技術発展の負の側面が描かれている点を指摘しています。
また、バルタン星人が登場する「侵略者を撃て!」を例に挙げて、脚本家の飯島敏宏が移民・難民との共存をどのように描いたかを分析しています。
さらに、ウルトラマンが地球に降り立ち、最終回で再びM78星雲に帰っていくという構造には、脚本家・金城哲夫の出身地沖縄に伝わる「ニライカナイ」の考え方が背景にあるのではないかという話も。
基本的には自身の作風と関連したコメントが多い一方で、ギレルモ・デル・トロとの対談では、リアルタイム世代として幼少期を振り返り、スペシウム光線のポーズをとっている写真も登場するなど、一視聴者としての面も垣間見えたのが印象的でした。
庵野秀明&樋口真嗣
庵野秀明は言わずと知れた『新世紀エヴァンゲリオン』のクリエイターです。
ウルトラマンオタクとしても有名で、エヴァンゲリオンには多数のウルトラマンオマージュが含まれているほか、大学時代には『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』という作品を自主制作し、監督・主演も務めています。
本作では主に特撮技術の素晴らしさに着目しており、「ドドンゴの回の山がすごい。山の中腹に倒れるのがいい」という発言はさすが目の付け所が違うなと感じました。
また光学合成の技術についても言及し、「手から光線が出るという発想がすごい。実際最新のウルトラシリーズまで引き継がれている」と、今となっては当たり前になっている演出の斬新さに改めて気付かされました。
自身の作品にウルトラマンが多大な影響を及ぼしていることに関しては、「ウルトラマンを知ってしまったから知る前の状態には戻れない。ウルトラマンの呪縛は死ぬまで消えない」と、ある種の覚悟とも取れる発言が印象的でした。
樋口真嗣は庵野秀明の盟友で、平成ガメラや『シン・ゴジラ』で特技監督を務めています。
2022年の『シン・ウルトラマン』では監督を務め、脚本の庵野秀明とともに全く新たな初代ウルトラマン像を描きました。
本作では技術の継承に着目し、自身が教鞭を取る授業でウルトラマンを見たことがあるか生徒に尋ねると、コロナ禍でウルトラシリーズが一時制作中止・延期になったタイミングで子どもだった世代がウルトラマンを知らなかったというエピソードを紹介していました。
一瞬の停滞でも視聴経験が途絶えてしまうという危機感が、自身の「後世に伝えなきゃ」という使命感に繋がっているようでした。
小島秀夫&ニコラス・ウィンディング・レフン
小島秀夫は『メタルギア』や『デス・ストランディング』などで知られる世界的なゲームクリエイターです。
本作では自身の父親について言及し、「戦争を経験しているのに戦闘機や戦車がめちゃくちゃ好き。でも徹底して反戦の考え方がある。そういう部分が自分にもいくらかあって、戦争のゲームにしたくないからステルスアクションということにしている」という、自身の作風の根幹にあるテーマについて発言していました。
ニコラス・ウィンディング・レフンは『ドライヴ』『ネオン・デーモン』などで知られる映画監督です。
小島秀夫の盟友で、『デス・ストランディング』にも出演しています。
本作ではウルトラマンの美学に注目し、人間を超越したデザイン的美しさと、より良い人間であろうとする善性などが特異であると述べていました。
パット・キャディガン&『ULTRAMAN: RISING』監督コンビ
パット・キャディガンは「サイバーパンクの女王」とも呼ばれる著名なSF作家です。
『エイリアン3』『アリータ:バトル・エンジェル』などのノベライズも執筆しており、ウルトラマンを現代アレンジした『Ultraman: The Official Novelization』の著者でもあります。
本作では是枝裕和と同じく「怪獣殿下」のエピソードに触れ、「ゴモラも都市に連れてこられなければ暴れることはなかった」と、ただの勧善懲悪ストーリーではないことについて言及したり、ノベライズにあたって「ウルトラマンとハヤタは一心同体である」という設定が西洋人の自分には理解しがたく、飲み込めなかったというエピソードを紹介していました。
また、フジ・アキコが唯一の女性隊員として活躍するのがとても嬉しかったと語っていたのも印象に残っています。
『ULTRAMAN: RISING』は2024年にNetflixで制作されたアニメーション作品で、シャノン・ティンドルとジョン・アオシマの2名が共同で監督を務めています。
ジョン・アオシマは「怪獣墓場」における怪獣たちの葬式を上げるシーンに触れ、その日本的な死生観が興味深いと語っていました。
成田カイリ
成田カイリはウルトラマンのデザインを手掛けた成田亨の息子です。
本作ではウルトラマンのデザインにフォーカスするパートで、成田亨の発言やエピソードについて語っています。
「鼻と耳は機能的ではあるが、美的には邪魔になってしまう」「窮地に陥った時、卓越した人間は少し笑っていると思う」「未来を担う子どもにこそ本物を見せなければならない」など、ウルトラマンの顔面、アルカイックスマイル、怪獣のデザインに関する言葉が印象的でした。
本作でもインタビューの場所として登場した、成田亨の作品が展示されている青森県立美術館には一度行ってみたいと思っています。
当時のスタッフ・出演者
当時のスタッフ・出演者の方も出演されています。
脚本家の飯島敏宏と、スペシウム光線を描いた光学合成技師の飯塚定雄は故人となっていますが、生前に撮影されたインタビュー映像を見ることができます。
発表から公開までがスピーディーな本作でしたが、意外にも長いスパンで企画されていたものなのかもしれません。
また、キャストからは黒部進、桜井浩子、毒蝮三太夫(石井伊吉)が登場。
現在もウルトラシリーズに関わり続けている桜井浩子がビートルの前でインタビューを受けていたり、毒蝮三太夫が開口一番「きったねえスタジオでさあ・・・」と毒蝮節を炸裂させていたりと、印象的なシーンもありました。
歴史の長いシリーズなので、元気な姿を見せていただけるだけでもありがたいと、心から思います。
まとめ
『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』は、ウルトラマン愛に溢れているだけでなく、その歴史と携わったスタッフたちへのリスペクトが詰まった作品でした!
上映館は少ないですが、ぜひ劇場で鑑賞してみてください!
ウルトラマンのフィギュアは大人気!
ウルトラマンのフィギュアは中古でも大人気!
特にS.H.FiguartsやX-PLUS、CCPなどのフィギュア・ソフビは完成度が高く「中古でも欲しい!」という方がたくさんいらっしゃいます。
はもちろん、MAFEXや当時ものソフビ、変身アイテムなど、どんな商品でも大歓迎です!!
売却をお考えのウルトラマンフィギュアは、ぜひフィギュア買取ネットへお送りください!
\ この記事を書いた人 /
タカハラシューサク【ライター】
フィギュア買取ネットコラム担当。映画レビューや関東で行われているイベントのレポを執筆します。
週1で映画を2〜3本ハシゴする映画好きです。ジャンル問わず何でも見ます!
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