冒頭
3月30日。みんなが花咲けるステージ『Bloom Garden Party』(以降、ブルパ)当日。
早朝に日野下花帆が蓮ノ空女学院までの坂道を走っているシーンから幕を開けます。
スクリーンの中で、花帆ちゃんが動いてる!!!!!!
その姿を見た瞬間、早速ぺしょぺしょになってしまいました(笑)。
そして、早朝の学校にやって来た花帆。校内はあちこちに華やかな装飾が施されていますが、まだ人の姿はありませんでした。
朝の澄んだ空気の中、花帆は敷地内にある段差に囲まれたステージに立ちます。
彼女にとっては四度目の桜が降りしきる中、アカペラで1人歌い始めました。
「一緒に見たいんだ。消えない夢(ドリーム) I believe!」
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブに歌い継がれてきた伝統曲『Dream Believers』。
その歌い出しの一節とともに、ついに本編がスタートします!
笑顔の天才
場面が変わって、蓮ノ空女学院ブルパ会場へと向かうバスの中。4月から106期生として蓮ノ空に入学予定の2人――錦上マイカと令沢葵が登場します。
『リンクラ』の活動記録にもちらっと登場していましたが、2人ともキャラが立っていて面白いですね! 葵ちゃんは『With×MEETS』に向いてそうです(笑)
しかし、バスが大渋滞に巻き込まれ、このままではオープニングライブに間に合わないことが判明。2人はバスを降りて、徒歩で会場へ向かうことになります。
ところが、蓮ノ空女学院までは急な坂道を歩いて三十分もかかるとのこと。半ば無理やり連れてこられたマイカは呆れて引き返そうとしますが、葵は「笑顔の天才だよ! どうしても、マイカちゃんに見てほしかったんだよ」と必死に引き留めます。
ちょっと強引で真っ直ぐな葵ちゃんと、押しに弱そうなマイカちゃんの凸凹コンビ!!
また、葵の「だってマイカちゃん、笑うの苦手でしょ?」という言葉に対し、「笑顔なんてくだらない。表情筋の無駄」と言うマイカちゃんのやさぐれっぷりには、某・澁谷かのんちゃんの初期の頃を思い出します……(笑)
そして、葵ちゃんが「笑顔の天才」について熱弁していた――その時。
「すいませーん! 通りまーす!」と、大きな荷物を抱えながら坂道を駆け上がってきたのは、今しがた葵が話していた「笑顔の天才」その人でした。
「日野下花帆ぉ!?」と驚く葵の声に立ち止まった花帆は、振り向きざまに「はい! 日野下花帆です!」と、見る者を思わず笑顔にしてしまうような、まさに天才的な笑みを2人に向けます。
実は花帆たち(花帆・吟子・セラス)は、届いていなかった音響機材を取りに行っていた帰り道でした。しかし、乗っていたタクシーが渋滞に巻き込まれてしまったため、オープニングライブに間に合わせるべく、重い機材を抱えて坂道を走っていたのです。
そんな花帆に、マイカは「もうすぐ自分たちのステージなんですよね。なんで裏方みたいなことしてるんですか? そういうの役割ってものがあると思うんです」と思わず口を挟みますが、直後に「余計なお世話でしたね。ごめんなさい」と即座に謝ります。
謝るの早い!!
お節介なことを言ってから、すぐにハッとして謝る不器用なマイカちゃん(笑)
ですが、花帆はそんな彼女に対して真っ直ぐに語りかけます。
「今回に限っては、みんな同じなんだよね。ステージの上で花開く人も、ステージの裏で頑張る人も関係ない。全部自分たちがやるし、全部みんながやる。それが『Bloom Garden Party』のコンセプト」
「ここは、みんなが花咲く場所だから!」
ただ「花咲きたい」って気持ちだけ。それだけがあればいい――。
そんな花帆の言葉に心を動かされたマイカは、自ら重い機材を背負い、「私も、運ぶ……! みんな同じなんでしょ?」と、お手伝いをします。
そうして、みんなで機材を運び、ブルパ会場である蓮ノ空女学院を目指すのでした。
それにしても、ヘトヘトのセラス可愛すぎか……!!
オープニングライブ
そして、ついにオープニングライブが幕を開けます。
本作の主題歌である『ハナ咲けばユメ駆ける』が披露されたのですが……。
大三角いるぅぅぅ!!!
実はこのシーン、とんでもなくエモいんです! エモすぎるんです!!
というのも、当初の『Bloom Garden Party』の目的であった『卒業した102期生の先輩たちと、また同じステージに立ちたい』という願いが叶った瞬間でもあるからです。
「いつかまた、みんなで」
去年の三月、102期生が卒業してしまうという寂しさを支えてくれたこの言葉が、一年の時を経てようやく回収されたのです。102期生がステージに立っている姿を見ただけで、もうぺしょぺしょでした……(涙)
さらに、演出のこだわりも素晴らしく、一番のパートは104期体制の9人で歌唱し、二番から『Edel Note』の二人が加わって11人になるという流れが本当にエモすぎました。
105期を駆け抜けた花帆たち8人と、去年卒業した蓮ノ大三角(梢・綴理・慈)の3人。
この11人が同じステージに立っているという事実だけで、もう最高すぎます! ありがとうございます!!
そして、『ハナ咲けばユメ駆ける』の歌唱が終わり、花帆を中心に102期生も含めた11人がズラリと並びます。そんな最高にエモエモな構図の中、花帆が高らかに宣言します。
「『Bloom Garden Party』スタートでーす! 皆さーん、思う存分花咲かせてくださーい!!!」
こうして、彼女たちが一年間かけて作りあげた「みんなが花咲くステージ」――Bloom Garden Partyがついに開幕したのです。
102期との再会
オープニングライブの後、楽屋テントに集まった蓮ノ空のメンバーたち。
その様子を葵とマイカが陰から覗き見していたのですが、葵が早口でそれぞれのメンバーの二つ名(?)を語っている様子がオタク過ぎました(笑)
姫芽ちゃんと相性良さそうですね……!
それにしても、「輝け頑張れ一番星」と「かわいいあざといめぐ党党首」の語呂が良すぎて、つい言いたくなっちゃいます(笑)
そして何と言っても、このシーンの見どころは102期生との再会のシーンです!
綴理とさやか、慈と瑠璃乃、梢と花帆。
それぞれの再会に、強く胸を打たれました。
これがずっと見たかったんです……!
「おめでとう……じゃないわね。ありがとう、花帆。みんなの笑顔が花咲く場所を作る、あなたの頑張りが、とうとう実を結んだ。だから私(わたくし)たちは、帰ってくることができたの。このステージに」
そんな梢センパイの言葉に涙する花帆ちゃんの姿に、もう何度目かも分からないぺしょぺしょをくらいました。「おかえりなさい、梢センパイ!」は幻聴じゃなかったんだ!!!
そんな様子を見て、「感動の再会に水を差したら悪いよ」とマイカが気を利かせて葵を連れて行こうとしますが、ふと花帆に呼び止められました。
機材の搬入を手伝ってくれた2人にどうしてもお礼がしたいと言う花帆。「なにか欲しいものとかないかな? そうだ、今夜のFes×LIVEにご招待とか!」と提案しますが、葵は「Fes×LIVEは最前列取れてますから、別のものがいいです!」と即答。代わりに「動画撮影の許可とかダメですかぁ?」と上目遣いにお願いします。
そこで花帆が『ブルパの活動記録を撮るための撮影班』を任せたいと提案し、マイカと葵はブルパの記録係としてビデオカメラを託されるのでした。
ブルパ活動記録
ビデオカメラを手に、屋台で賑わう通りを撮影しながら歩くマイカと葵。
「オープニング見たら、さっさと帰るはずだったのに……」と不貞腐れるマイカに対し、葵が「じゃあ帰る? お願いされた大事なミッションを放り出してぇ?」と煽ります。
すると、マイカは眉をピクピクさせながら「私がそういうことできないの知ってるくせに……」とむくれました。それに対して「うん、そういうところ好きー」と返す葵。
すっかりマイカの扱いに慣れている葵の様子が面白かったです!
マイカちゃんは、不器用だけど根はすごく真面目で優しい子なんですね……!
DOLLCHESTRA
その後、インフォメーションセンターに向かった2人は『DOLLCHESTRA』(綴理・さやか・小鈴)の3人を発見します。そこでカメラが激写したのは、さやかが手作り弁当を綴理先輩に「あーん」と食べさせている瞬間でした。そのあまりにもほのぼのとした光景からは、とても「キレキレのダンス、重厚なサウンド、エモーショナルなリリック。すべてが高次元で融合するクールな3人組」には見えません(笑)
綴理先輩のお世話をしているところをバッチリ撮られていることに気付き、恥ずかしがるさやかちゃんが可愛すぎです……!
また、画面左下の『ことりポジ』からぴょこっと顔を出す綴理先輩も可愛かったです(笑)
「ボク、なんなの」も久しぶりに炸裂しましたね!!!(情報過多)
その後、「なんか、さやがすずを支えるだけじゃなくて、すずがさやを支えることも出来るようになったんだね」という綴理の言葉に対し、「105期『DOLLCHESTRA』も日々成長してますから!」と答えた小鈴が、寂しそうに笑う表情が個人的に印象に残りました。
それから、さやかがヘルプに向かい、小鈴が落とし物のアナウンスをしている間、マイカと葵は綴理にインタビューをします。
花帆の話題になり、「そういえば、花帆。入学してすぐに蓮ノ空から逃げ出したんだっけ」と振り返る綴理。「今や歩くエンターテインメントな、あの日野下花帆が!?」と驚く2人に対し、綴理は自身から見た『日野下花帆』について語りました。
「花帆はすごいよ。自信が無くても、打ちのめされても、勇気を持って表に出た人なんだ。そうやって、人を引っ張ってみんなに力をあげて、周りを変えていく。それを笑顔でやり切れる人なんだ」
そんな綴理先輩の言葉にグッと来てしまい、ぺしょぺ(以下略)。
スリーズブーケ
その後、校舎へと移動したマイカと葵。
そこで人だかりの中に『スリーズブーケ』の日野下花帆と、卒業生である乙宗梢の姿を見つけます。2人はたくさんのファンに囲まれていました。
「みんなを応援に来たのに、あたしたちが応援されてる!?」
そう驚く花帆に対し、梢センパイが優しく微笑みかけます。
「それだけみんな、花帆のことが好きなのよ。だってあなたは、みんなを花咲かせるために頑張って来たんだもの。応援されて当然でしょ」
そう言って、梢センパイは花帆の髪にそっと黄色い花を飾るのでした。
そんな尊い光景を見ながら、スリーズブーケの魅力を熱弁する葵。その一方で、マイカは「あれ? でも、スリーズブーケってあの2人だっけ?」と疑問を浮かべます。
そう、正確にはあの2人は二年前、つまり『103期体制』のスリーズブーケでした。
104期からは「伝統の人」こと、百生吟子を加えた3人体制となり、梢センパイが卒業した105期からは花帆と吟子の2人で活動しているのです。
こずかほのイチャイチャ……おっと、楽しげに話す2人の様子を吟子が遠くから眺めます。そんな彼女に対し、マイカが「どうしてあっちに行かないんですか?」と尋ねました。
すると、「2人の世界に水差すの悪いでしょ。ああして過ごすの、一年ぶりなんだし」と遠慮する吟子。「百生先輩も一年ぶりじゃないんですか?」と問われますが、「私はいいよ。あの2人は二年分の繋がりがあるのに、梢先輩と私は一年分しかないし」と、どこか一歩引いたように答えます。
実は、吟子には少し思うところがあるようで、「今日は、あまりにも楽しすぎる思い出は作りたくないなぁって……」と、ぽつりと溢すのでした。
しかし、そこに花帆が現れ、遠慮する吟子を輪の中心へと引っ張っていきます。
花帆は「知ってます? 梢センパイ」と切り出し、吟子がこの一年で作詞も作曲も、そして振り付けもすっごく成長したのだと、まるで自分のことのように誇らしげに語ります。
梢センパイは吟子の髪にもオレンジ色の花をそっと飾ります。さらに花帆からも花を飾ってもらい、大好きな先輩たちに褒められて照れる吟子が可愛すぎました……!
まさに蓮ノ空のこと好き好きクラブならぬ、お互いのこと好き好きクラブ!!!
その後、マイカと葵は梢センパイにもインタビューを試みます。
そこで梢センパイは、『日野下花帆』について語り始めました。
「みんなが前に進むとき、いつも中心に彼女の笑顔があった。けれど、それは最初からあったものでもない。すぐに手に入れたものでもない。順風満帆ではなかったわ、あの子は。みんなが思っているより全然。負けるし、折れるし、へこたれるもの。でも、そこから立ち直るたびに彼女の笑顔は輝きを増していったの」
その言葉を聞いたマイカは「なんで、たくさんの人の前で笑顔でいられるんですか。どうして輝いたままでいられるんですか」と、自身の過去と照らし合わせるように問いかけます。
しかし、梢センパイは「その答えは自分自身で見つけるしかないわ。花帆はそうしてきた。だからこそ、あの子はみんなに愛されている」
「――私(わたくし)の自慢の、永遠の相棒なのよ」
そう誇らしげに語る梢センパイ。誰よりも、一番近くで花帆を見てきたからこそのその言葉に、思わず胸を打たれました……!
みらくらぱーく
場面が変わり、第一音楽堂ステージでは『みらくらぱーく!』(慈・瑠璃乃・姫芽)による特技披露イベントが行われていました。
そこに登場したのは……まさかの沙知先輩!!!
「細かすぎて伝わらないモノマネをやります。『藤島慈が蓮ノ空に入学してきて初めての配信』」と宣言し、めぐちゃんの黒歴史を披露するシーンには思わず笑ってしまいました!
さらに最後には、某・有名番組の如く落とし穴に落ちていく演出まで(笑)
沙知先輩を筆頭に、観客からもいじられてすっかり拗ねてしまった慈。
そんな彼女は瑠璃乃に対し、「ルリちゃんも覚悟しときなさいよ。もうコンビ解消だから! 二度と口も聞いてあげないっ!」と言い放ちます。
「めぐちゃんそれ、本気で言ってるの……?」
「本気だったら、はるばる海を渡ってルリちゃんに会いになんか来ないよっ!」
「「えへへへへっ」」
そうして、姫芽も大興奮の『るりめぐコント』を披露するのでした。
って、それ完全にオ〇ドリーのネタじゃないですか!(笑)
みらぱのパートだけ、バラエティ色が強くて笑っちゃいました。
そうして第一部をなんとかやり切り、幕裏でみらぱの3人がハイタッチをしようとしたその瞬間――「べちょっ」と、瑠璃乃が倒れ込んでしまいます。
「ブルパ開催までの激務、ステージMCの緊張、そして突然のアドリブ。ルリちゃんの充電はとっくに切れていたんだね……」
慈のその言葉のとおり、瑠璃乃はとっくに充電切れだったのです。
誰かァ!!! 段ボールを!!!
そして、瑠璃乃を段ボールに入れて充電している間、マイカが慈に「スクールアイドルって、楽しいですか?」と尋ねます。
続けて、「あんな明るいスポットライトを浴びて、あんな多くの人たちの前で。少しでも怖いとか、思ったりしないんですか?」と、自身の過去を思い出しながら問いかけました。
そんなマイカの問いに対し、慈は「怖いに決まってんじゃん」と答えます。
すると、そこに沙知先輩が現れて「この子はねぇ、今までも色々やらかしてるからねぇ。表の顔はスーパースター気取りだけど、裏じゃ挫折したり怪我したり、辞めたり復帰したり」と、慈のこれまでの足跡を口にしました。
「じゃあ、どうやって克服したんですか?」と重ねて尋ねるマイカ。
ですが、慈から返ってきたのは「克服なんてできてないよ。今でも怖いに決まってる」という、さっきまでのステージ上の輝きからは想像もつかない言葉でした。
戸惑うマイカに、慈は真っ直ぐな言葉を続けます。
「怖くたってさ、楽しいのが上だったらやるしかないじゃん? それにさ、私にはスクールアイドルの道に引き戻してくれる、手を差し伸べてくれる大事な大事な友達がいたからさ。そういう友達が近くにいたら、きっと怖いよりも楽しいが大きくなるよ」
そう言って、慈はマイカの隣にいる葵へと優しく微笑みかけるのでした。
「楽しいが一番」のみらぱらしさ全開の答えです!
Edel Note
最後にマイカたちがインタビューをするのは、『Edel Note』(泉・セラス)の2人。
しかし、ここで葵が「じゃあ、ここからは別行動ねぇー」と突如ビデオカメラをマイカに託します。「なんで!?」と戸惑うマイカでしたが、「まだまだ見たいところたくさんあるもん!」と言い残し、葵は嵐のように去って行ってしまいました。
そして、1人で救護室を訪れたマイカ。そこでは『Edel Note』の2人が急患の看病をしていました。しかし、泉が連れてくるのは仮病を使ったファンばかり。
泉が騎士様のように華麗に看病してくれるため、それを目当てにしたファンが殺到していたのです。そんな事態にセラスは怒り心頭で、泉を奥へと連れ出します。
「妬いているのかい、セラス?」と笑う泉でしたが、セラスは「仮病と本物を見分ける作業で大渋滞しちゃってるの!」とご立腹。それでも泉は飄々と「心配しなくても大丈夫さ、私の心はいつもあなたと共に……」と、どこか演劇めいた茶番を始めてしまいます。
呆れるセラスでしたが、ふと「それに今日は、まだ『Edel Note』なんだから。私たち」と呟きます。そう、この日は『Edel Note』として2人が過ごす最後の日でもありました。
そんな彼女に「ありがとう、セラス。私の凍った心を溶かし続けてくれて」と真っ直ぐに感謝を伝える泉。その言葉に思わず照れてしまうセラスが、とても可愛らしいシーンでした。
その後、泉にインタビューをすることになったマイカ。
しかし、彼女はブルパの活動記録ではなく、マイカ自身としての質問をぶつけます。
「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブとは、なんなのか?」
そんな問いに対して、泉は「一言で言えば、とてもお節介な集団かな?」と話します。
続けて、「彼女たちは本当にお節介で、お人好しで、だからこんなところにいれば誰もが変わってしまうんだよ」と、瑞河女子高等学校の生徒として挑んだ前々回のラブライブ決勝大会での出来事を思い返しながら語りかけました。
「だからあなたもね、今のままでいたいのなら彼女たちに関わらない方が良いよ。でも、もしあなたが少しでも変わりたいと思うのなら――蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは、私たちは全力であなたを歓迎する」
そう言って、泉はマイカへ真っ直ぐに手を差し伸べるのでした。
迷子の女の子
各ユニットへのインタビューが終わる頃には、辺りはすっかり夕暮れに染まっていました。
この後は、第二音楽堂・八重咲ステージで『Fes×LIVE』が開催される予定で、マイカは最前列のチケットを握り締めている葵と会場前で待ち合わせをしていました。
そうして会場へと向かう道中、ふとマイカは迷子になって今にも泣き出しそうな女の子を見かけます。咄嗟に声をかけるマイカでしたが、笑顔を作ろうとしても顔が強張ってしまい、かえって女の子を怖がらせ、ついには泣かせてしまうのでした。
マイカが困っていると、そこに偶然通りかかった花帆が現れ、満面の笑顔で迷子の女の子に寄り添い、優しい言葉をかけます。
「いっぱい泣いて、少ししたら落ち着いて、また笑おう。一緒にいるよ、あなたが悲しいことを忘れられるまで、もう一度笑顔の花を咲かせられるまで。私も笑顔でそばにいるからね」
そんな花帆の言葉に安心したのか、すっかり泣き疲れて眠ってしまった女の子。マイカはその子をおんぶしながら、花帆と並んで歩き出します。
今日一日を通して、『日野下花帆』という人物、そして『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』の温かさに触れたマイカは、ふと自身の胸中を打ち明けました。
「こんなこと言われても、困ると思うんですけど。私、笑顔を捨てたんです」
続けて、自身の過去について語ります。
「子供の頃、すごく嬉しくて、とても楽しいことがあって。でもその後にすごく辛くて、とっても嫌なことが、ものすごい勢いで押し寄せてきて。一時的に手放しただけのつもりでした。でも、気付いたんです。私はもうその顔を二度と取り戻せないんだって。笑うのって、世界で一番恐ろしいこと。もうできるわけないんだって」
花帆は、そんな彼女の心にそっと寄り添います。
「捨ててないよ。それはきっと、どこかに隠れちゃってるだけ。取り戻せないことなんか、絶対にない。いつか必ず、素敵な笑顔が花咲くよ。マイカちゃんにしかできない、とびっきりの笑顔が、ね?」
そんな花帆の言葉に、マイカはすがるように問いかけました。
「あなたの背中を見ていれば、あなたをずっと見ていれば、思い出せますか?」と。
しかし、今日は花帆たち103期生が蓮ノ空の生徒としていられる最後の日。
「でも、ごめんね。あたし、今日で卒業なんだ。蓮ノ空でいられるのは、あと数時間だけなんだ」と話す花帆に、マイカは「なんで、どうして、そんな日に出会っちゃうんですか……」と、顔を伏せてしまいました。
それでも、花帆は「大丈夫、大丈夫だよ!」とマイカに語りかけます。
「これからは蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブが、みんなが、教えてくれるから、とびっきりの笑顔を!」
その言葉の通り、花帆はとっびきりの笑顔で、マイカの背中を力強く押すのでした。
その後、『Fes×LIVE』へと向かう花帆と別れ、迷子の女の子をインフォメーションセンターへ送り届けたマイカ。無事にお母さんが迎えに来て、これで一件落着か……と思いきや、マイカは女の子がまた泣き出していることに気が付きます。
どうやら、大切なものを失くしてしまったようでした。
場面は変わり、『Fes×LIVE』の終演後。
マイカと葵は、大歓声が響き渡る会場の外で配信画面を見つめていました。
ふと、マイカが「ごめんね」と葵に謝ります。
実はあの時、女の子が必死になって探していたのは、落としてしまった『Fes×LIVE』のチケットでした。親とはぐれたことにも気付かないほど、無我夢中で探していたのです。
「もし、このままあの子が今夜の『Fes×LIVE』を見れなかったら、そしたら多分ずっと、ずっと後悔する」
そう話すマイカは、自分たちのチケットを女の子に譲っていたのでした。
続けて、「子供の頃についた傷はいつまでも残る。私はそれを知っている。だから、何とかしたかった」と、マイカは自身の過去を重ね合わせるようにそう語りました。
葵ちゃんも、あんなにライブを楽しみにしていたのに優しい子ですね……。
ちなみにですが、『Fes×LIVE』の模様は蓮ノ空公式Youtubeチャンネルでチェックすることができるので、気になった方はぜひご覧ください!
【全編アーカイブ公開中】Bloom Garden Party 105期 Final Term Fes×LIVE STAGE ~11人で約束のライブ~ #Fes蓮ノ空ブルパ
蓮ノ三蓮華
『Fes×LIVE』が終演を迎え、これにて『Bloom Garden Party』の全演目が終了。
観客たちがぞろぞろと帰路につく中、マイカと葵は人通りの少なくなった校門前を2人で歩いていました。
そこで、ふとマイカが葵に感謝を伝えます。
「あ、あのね。ありがとう、葵。私をこの場所に連れてきてくれて。今日のこの日は私にとって、とても大きな一日だった」
そんなマイカの言葉を聞いて、嬉しそうにする葵。
するとその時、ガサガサッ!と通路脇の茂みから不審な物音が聞こえてきます。
怯えて身構える2人ですが、次の瞬間――茂みから3つの人影が勢いよく飛び出してきました。
「みーつーけーたぁーーー!」
飛び出してきたのは、なんとセラス、吟子、姫芽の3人。
実は、『Fes×LIVE』の最前列にマイカたちの姿がなく、代わりにあの迷子の女の子が座っていることに気付いた花帆。2人に今日一日のお礼がしたいと『Fes×LIVE』の終演後、蓮ノ空のみんなで探し回っていたのでした。
そんな彼女たちの姿を見て、マイカはふと「お節介で、お人好しで、変な人たち……」と呟きます。
『――これからは蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブが、みんなが、教えてくれるから、とびっきりの笑顔を!』
あの花帆の言葉の通り、マイカたちにお礼をしようと必死になって探してくれた蓮ノ空のメンバーたち。その温かさに触れ、「日野下花帆、だけじゃないんだ」と、心なしか柔らかい表情で彼女たちを見つめるマイカでした。
一方その頃。今日この日をもって蓮ノ空を卒業する『三連華』(花帆・さやか・瑠璃乃)の3人は、蓮ノ空の生徒として過ごす最後のひとときを共に過ごしていました。
103期から104期、そして105期に至るまで、数え切れないほどの思い出に彩られた濃密な三年間。その軌跡を思い返しながら、尽きることのない思い出話に花を咲かせます。
そして最後に、屋上へとやって来た3人。
すっかり人がいなくなった会場を見下ろしながら、花帆がぽつりと呟きました。
「三年間、ずっと蓮ノ空女学院のみんなを花咲かせようって頑張って。いつの間にか蓮ノ空女学院に、みんなに、花咲かせてもらってた」
そして、「もう何もやり残したことはない。後輩たちに、仲間たちに託しましょう」とさやかが告げたその時。不意に、校内のライトアップが消えてしまいました。
「これで本当に終わり。ううん、あと『一曲』になっちゃったね」
消灯した会場を見つめながら、瑠璃乃がそう呟きます。
「うん、あと一曲。最後だけど、次が本当に最後の曲だけど」と、花帆は必死に涙を堪え、「でも、泣いたりしない! 笑顔でサヨナラしよう!」と明るく振舞いました。しかし、そう言いながらも、3人は目に涙を浮かべます。
そして、花帆は2人に真っ直ぐ向き直りました。
「だから、今だけ泣こうよ!」
そう言って、3人は抱き合いながら大粒の涙を流します。
「たくさん泣いて、みんなが戻ってくる前に、すっかり泣き止むんだ」
三年間ずっとお互いを支え合ってきた三連華の涙に、胸を打たれました。
こんなのぺしょぺしょになるに決まってますよ……!(涙)
後夜祭
そして、迎えた『Bloom Garden Party』後夜祭。
『Fes×LIVE』の終演後、在校生やイベント運営を手伝ってくれた人たちのためだけに開かれるお礼のステージ。これこそが、正真正銘「最後の、最後の『アンコール』」です。
三連華にとって、そして105期蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブとしての最後の曲。
物語の冒頭で、花帆が『Dream Believers』の一節を歌った、桜の舞うステージ。そこには在校生や蓮ノ大三角(梢、綴理・慈)の3人、そしてマイカと葵の姿もありました。
ついに最後のステージに上がった105期蓮ノ空の8人は、ステージの中心で輪を作ります。
「みんなー、『Fes×LIVE』お疲れさまー!」と、明るくメンバーたちを労う瑠璃乃。
「今からステージを見せる相手は、三年間ずっと私たちを支え続けてきてくれた大切な人たちです。だから、精一杯の感謝の気持ちを込めて、最後の力を、全力を振り絞りましょう!」と、気合いを入れるさやか。
そして、花帆は真っ直ぐな感謝をメンバーに伝えます。
「みんな、今までありがとう。これが105期蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのラストナンバー。4月からは106期が始まる。でも、全然心配してないよ。なにしろ今度の新部長は、私なんかよりずっと、それこそさやかちゃん並みに頼りになるからね!」
「託したよ、吟子ちゃん」
花帆からバトンを託された吟子。
しかし、彼女は顔を伏せたままピクリとも動きませんでした。
「私、今日一日だけは普通に終わらせたかった」
不意に、震える声でそう告げる吟子。
「先輩たちがいなくなる、一番悲しくて忘れてしまいたい日だったのに。賑やかで楽しくて、結局忘れられない一日になっちゃった。私はこれからもきっと、今日のこの楽しい日のことを何度も思い出して、そして一緒に寂しくて悲しかったこともすぐに思い出してしまう。ずるいよ、花帆先輩!」
そう叫び、彼女は大声を上げて泣き出してしまいました。
中盤のシーンで、「今日は、あまりにも楽しすぎる思い出は作りたくないなぁって……」と呟いていた吟子。その真っ直ぐな気持ちに胸が締め付けられ、涙が止まりませんでした。
こんなの、絶対にぺしょぺしょになりますよ……!(涙)
吟子の想いを聞いて、泣かないと決めていた三連華の3人も目に涙を浮かべます。
そして小鈴や姫芽、セラスと泉、8人みんなで涙を流しました。
それでも、4月から新部長となる吟子は涙を拭い、顔を上げます。
「受け継ごう! 繋いでいこう! 蓮ノ空の伝統を、先輩たちの想いを、そしてもっと大きなたくさんの花を咲かせよう!」
「蓮ノ空女学院」
「スクールアイドルクラブ」
「今この瞬間を」
「大切に」
「Bloom the smile Bloom the Dream!」
最後の円陣と共に、ついに105期のラストナンバーが幕を開けます。
披露された楽曲は、『光の中で花咲いて』。
104期の最後の曲である『いつでも、いつまでも』を彷彿とさせるイントロのメロディーが響き渡ります。過去を優しく肯定し、未来へと力強く踏み出そうとする歌詞が胸に刺さり、ここでも涙が溢れて止まりませんでした。
一番のパートではライブシーンが描かれ、楽曲が二番のパートに差し掛かると同時に、エンドロールへと移り変わります。
そこでは花帆たちが過ごした三年間の軌跡を描いたイラストが流れました。
花帆たちの三年間と共に、蓮ノ空と出会い、彼女たちをずっと追いかけてきた自分自身の約三年間の余韻にも浸りながら、最後まで見届けました。
そして、エンドロールの最後。
卯辰山見晴らし台から、金沢の町を見下ろす花帆、さやか、瑠璃乃の姿が映し出されます。
それは、蓮ノ空の『最初のキービジュアル』と同じ構図で、原点であり集大成であると感じさせられるイラストがあまりにもエモすぎました。
「花咲きたい!」ともがき続けた彼女たちが、満開の花を咲かせる姿を見届けることができて、心から良かったと思える、そんな作品でした!
花帆たちと歩んだ三年間を通して、私自身も「花咲いた」と自信を持って言えます!
そして、先輩たちの想いを受け継ぎ、次に吟子たち106期蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブがどんな夢を見せてくれるのか、本当に楽しみです!!